お題 で パッチてん


2005/4/17(日)〜2005/5/11(水)まで小説日記にて連載したパッチてん文です。

お題は、コチラからお借りいたしました。(現在は配布されていない・・・のかしら?)




 



春が来た。
桜も満開だし、日は長いし、あったかいし、とても気分のいい季節だ。

ハジケリストにとっては、程よくヤバイ季節だ。
常人ですらハジけやすいのに、プロがハジけないワケがない。



天の助は昼寝をしていた。ヘッポコ丸に乗っかって、気分がよさそうだ。乗っかられたヘッポコ丸も、天の助を抱きかかえたまま眠っている。

そこまでは良かったのだが、運悪く、そこを通りかかった奴がいた。オレンジのトゲ。

その拍子に、このトゲの中で、何かがキれた。
ヘッポコ丸はいつも散々困らせていやってるのに、全く懲りない。だから今度は天の助を困らせてやろうと、思い立った。

気分良く眠っている天の助を掴み取り、一目散に走り出す。

「ん〜?」
天の助が起きそうになったので、一撃加えて強制的に眠りにつかせた。


大分走って、さっきの場所からはかなり遠い所についた。
ポイっ、と天の助を投げると、今度こそ目を覚ました。
「いってー!!・・・あれ、首領パッチじゃん」
「酷いわ、天の助さん!私を置いてあんな奴の所に行くなんて!!」
「はぁ・・・?あ、そーいや、ヘッポコ丸はドコ行ったんだ?」
「私の話を聞きなさいよ!何よ!そんなにアイツの方がイイワケ?!」
「・・・・・・」
本当はノってやるべきなのだろうが、何せ起き抜けで、頭が回らない。無視して歩き出した。
「あ!おい、一寸待てよー!」
「嫌だ」
「一寸は付き合えよ!」
「嫌だ!」
寝起きの不機嫌で、いつになく拒否されて、首領パッチはますますむかついた。
「・・・天の助」
急にテンションが下がった声になったので、天の助は驚いて振り向いた。
「ごめん、オレが悪かったよ・・・謝る」
首領パッチは目をキラキラさせて、眉の形も凛々しくなっている。
「だからさ・・・・・・あいつの所になんか戻らないで、オレの話を聞いてくれ」
ここは、”わかったわ。話って何かしら?”くらい言うのがハジケリストとしての礼儀だろうが、今の天の助にはムリだった。ゾワーッと、悪寒が走る。
「君無しでは生きて行けないんだ・・・オレは」
首領パッチがゆっくりと手を差し伸べる。
が、天の助は、もうその場にはいなかった。
そのときには、はるか前方を、砂塵を巻き上げながらところてんジェットで疾走していた。


..........「1■貴方無しでは生きて行けない。」


 

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