無双5えんぱねた

〜しょうもないデレ惇〜



           つれてって



 
   
   














「なぁなぁ孟徳!」

「何だ、元譲」

今日も(わしの)元譲かっわいいなぁ〜〜

と、相変わらずなことを考えている曹操だったが、顔にはギリギリ出さずに、
クールなアルカイックスマイルを浮かべるにとどめている。
なぜなら…にったにたと心に忠実な表情をしていると、いとしの従弟に警戒されて、計画通りにコトが運ばなくなってしまうから、だ。

「新勢力立ち上げるんだろ?」

「ああ、そうだが」

「えーとなっ。誰を連れてくつもり…なんだ?」

”俺もつれてって!!”と素直に言わず、長身のクセに上目遣いで曹操を見る。

 ――やっばいもうかわいい、かわいすぎる・・・!(わしの)元譲!!

「ふーむ、そうよなぁ・・・まずは・・・」

ちらりと視線を投げれば、夏侯惇の瞳に期待が満ちた。

「子孝であろうか」

わざと素っ気無く、これも従弟の名を挙げると、夏侯惇がほんの少しだけシュンとした。

「うん」

それでも頷いて先を促すところが、意地っ張りというかなんといおうか。
まぁとにかくかわいい。

「次に、妙才」

曹操は笑みを深くしながら、更なる意地悪を仕掛ける。

「…淵か」

今度は目に見えてしょんぼりした。
先ほどまでパッチリと開いていた目に、今は目蓋が半分ほど下りてしまっている。

「ああ。この二人は、いずれもわしの傍らには不可欠の存在よ。
 なくば覇道の一歩を踏み出すことさえままならぬ」

「そうだな…。それで、あとは…?」

残る枠はあと一人。
期待を捨てきれない夏侯惇は、曹操の答えに対する少々の怯えを滲ませながらも、続きを急かした。

「それよ。あとの一人…これは、悩んだ。
 今決まっているのは、子孝と妙才…優れた武人が二人だ。では、やはり最後は頭脳か?と思った」

腕組みをし、わざとらしく首を緩やかに傾けて、曹操は笑みを深くした。

「ず、頭脳?」

頭脳から選抜していくとなれば、真っ先に自分が外されることに気がついた夏侯惇の瞳が落ち着かなくなる。

「…だが、頭脳といえば…曹孟徳に勝る男はそうはおらぬ。
 何よりはじめは小競り合いだ。暫くは無用と気づいた」

「…そうか」

夏侯惇がホッとしたように息を吐いた。
その所作のひとつひとつを観察しながら、曹操は続ける。

「しかし、そうなれば次の候補は難しい。いかがすべきか。武だけではなく、頭脳だけでもない者…。
 悩みに悩んだ末、出した結論は」

「…」

ハラハラと答えを待つ夏侯惇は、ゴクリと唾を飲み込んで、相変わらず微笑を湛えたままの曹操の顔を凝視した。


――あああもう、(わしの)元譲、かぁぁわぁぁいいいいいい!!


と。心中では鼻血垂れ流しまくりの曹操は、それでも、作りうる限りの冷徹な声音で告げてみた。


「…子桓だ」

一瞬、夏侯惇の表情が凍った。

それから、だんだんと顔を俯けて、降ろした腕の先に拳をぎゅっと握って。

「……………子桓、か」

呟くように口にした。
声音は暗い。

「どう思う、元譲?」

それらの全てに気づかないフリをしながら尋ねてみる。

「…お前がそれでいいなら、いいんじゃないか」

つん、とそっぽを向き、投げやりな答えが返された。

「良いか」

「…子孝も淵も強いし。子桓は確かに何でもできるし……」

語尾が濁った。
というよりほとんど聞こえなかった。

まずい、やりすぎた。

曹操が焦って夏侯惇の正面に回りこむと…案の定。

「いや、待て、泣くな!元譲っ!」

「〜〜泣いてない!」

真っ赤になった目が、しっかりと潤んでいる。
少々良心が痛むが、涙を零す夏侯惇は格別にかわいかった。

「泣くくらいなら、連れて行けと言えばよかろうが!」

目に溜まった涙を拭ってやる曹操の口元は緩みまくりで、目尻も垂れ下がりまくり。

それらの表情全部が言っていた。


――ああもう!!どこまでかわいいんだっっ!!!(わしの)元譲はっっっ!!!!!!


…と。


「嫌だ!…お前が、自分で役に立つ思うヤツを連れて行けばいいんだ…!俺は…」

「来たかったのだろう?」

「…俺が来たいかどうかなんて、お前には何の関係もないだろうっ。どうせ役立たずだよ、俺は!」

ますます零れ落ちる涙を袖に吸わせる曹操は、かわいい夏侯惇の姿をたくさん見て満足したので、可愛そうな従弟に、本当のことを教えてやることにした。

「あのな、元譲」

「ん…?」

「最後の一人が子桓だというのは、嘘だ」

「嘘?」

「ああ。本当は、悩むまでもなく初めから決まっていた。…元譲だ」

「俺…?」

「そうだ。そなたを置いていけるはずがない。…当たり前だろう?
 妙才と子孝より先に、元譲だけを決めていた」

「本当か?」

パッと明るくなる表情に大きく頷く。

「本当だ。来てくれるのだろう?」

ぎゅっと抱き寄せると、夏侯惇も頷いた。

「…行く!」







「でもな、孟徳」

「ん?」

「関羽が来たりとかしたときに枠が足りない、とかなったら…どうするんだ…?」

「…どうしようもないな」

「やっぱり俺のこと…放逐するのか…?」

「し な い !」

「…本当に?」

「ああ。最後まで絶っっっ対に手放さぬ」


そう答えつつ…

『もし関羽を捕縛したら、また今日みたいに嘘吐いていじめて…カワイイ元譲を堪能しよう!!』

カワイイ従弟の、カワイイ泣き姿。
それを再び見るための計画を、頭の中に描き始める曹操に…反省は、なかった。

















 



オチなどない!ヽ(  ´  ∇  `  )ノ


かわいそうじゃない殿。

ビジュアルはどうか3or5惇で・・・(;・∀・)!!(童顔という免罪符)


それにしてもヒデェ…

 

2011/02/23


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送