無双5えんぱねた

〜しょうもないデレ惇〜



           だいすき



 
   
   










「主君としての夏侯惇は、曹孟徳に何を望んでいる?
 わしにできることであるならば、全て叶えるよう努力しよう」

曹操と二人。

戦の後処理のことすら放ったらかして(恐らく甘寧が勝手に集めた仲間でやってるはずだと思うし)、
昔の自分の部屋…で向かい合っていた。

曹操は無表情だ。

「……」

望むこと。

考えれば考えるほどに…たくさんあった。

その全ては、言葉にしてはいけなかったもの。

…今は、立場が異なった。望みを口にしても、許されるのだろうか…?


「…えっと……あのな、孟徳…」

「ああ」

「まずはその…、
 俺は、お前の傍にいたい。…ずっと、ずっと。」

恐る恐る言ってみる。
だが、曹操は首を横に振った。

「そうではなかろう、元譲」

「だめ、か…?」

「それも違う。…お主が、君主だ。”傍にいろ”と命令するのが正しかろう」

「うっ…そ、そうか」

慣れない。
けれど、望みを叶えるためには言うしかない。

「じゃあ…。…孟徳に、俺の傍に居て欲しい…」

どうにか言い切ると、曹操は今度は首を縦に振ってくれた。

「承知した。…いついかなるときも、お主の傍にいよう」

そして、再び問いかける。

「それで?願いはそれだけか?」

「……いや。まだ……たくさん…ある」

「そうか。では全て伺おうか」

「…うん」

しかしここから先は、本当に本当に、一生心の中だけに抱えておこうと思っていた願いだった。

わなわなと微かに唇を震わせながら、意を決して口を開く。

「孟徳。…その…俺はずっと……」

「……」

「お前のこと、が…好きだった。ずっと………もっと、俺を見て欲しいと思ってた。
 …関羽のことなんか考えないで、俺を見てて欲しかった」

「わかった。…元譲のことだけを考えるよう努力しよう」 

普通の声音。
夏侯惇は唾をごくりと飲み込んで、次の願いを口にする。

「…それから…。……気持ち悪いかもしれない、けど…」

曹操の表情を見るのが怖くて下げていた視線を上げて、うるうるとした瞳で懇願するように上目遣いで。

「孟徳。あの………ちゅー、して…?
 ……一度で、いいから」

たった一度。一度でいいから、曹操の接吻が欲しかった。

身に過ぎる願いだとわかっていた。
罵倒されるに足る願いだともわかっていた。

ぎゅっと身を硬くして、緊張のまま答えを待つ。

「一度で良いのか?」

「一度で、いい」

すると、すぐに曹操が身を寄せて、驚くほどあっさりと唇を合わせてきた。

ぎゅっと押し付けられた唇が曹操のものであることが嬉しくて、首と顎を固定する掌の感触すら喜びに変わる。

少ししてそれらが離れてしまうと、罪悪感が芽生えた。

「…ごめん……」

「何がだ?」

「気持ち悪かった、よな…?」

恐る恐る顔を見るが、曹操はうっすらと微笑んでいるように見えた。

「願いはこれで仕舞いか?…口付けなど、いくらでもできるが」

「だ、だったら…もう一回」

「もう一度だけか?」

「いや…じゃあ、3回…」

答えれば、すぐに口付けをくれた。

夏侯惇は曹操の袖を掴んで、従兄のくれる温もりを必死に味わった。

「………他には?」

うっとりと目を閉じる夏侯惇の頬を撫ぜて、曹操は問う。

「頭、撫ぜて欲しい…」

優しく頭蓋を包む掌。

「……」

自分から顔を寄せて、言葉に拠らず口づけを強請る。容易くそれは与えられた。

少しずつ身体が密着していって、胸と胸が合わさるのが妙に気恥ずかしかった。

「…あとは?」

「暫く…このままがいい」

曹操の身体に抱きつくようにして、曹操にも抱きしめられて。
頬同士が触れるのも、呼吸が間近なのも、全てが幸福だった。

先ほどから、右目はずっと涙を流している。時々落ちる雫が熱い。

「もうとく…」

甘える声で呟けば、どうした、と優しく返る。
また一つ涙が落ちて、背に回した腕に力が入った。

顔を少し離して曹操の顔を見れば、いつもの従兄の優しい顔。
大好きな、顔。
吐露が、自然と口をついた。

「…お前のものになりたかった。ずっと。…今も、だけど。
 お前の傍に居て、お前のことだけ見て。それだけで幸せなんだ。
 いらないって言われるのが一番苦しかった。死にたいくらい辛かった…!」

「…すまんな」

「俺のことだけ見てくれなくてもいい。でも、頼むから…俺も傍にいさせて…?
 使い捨ての駒でもいい。お前の近くで、お前の役に立ちたいっ…」

ぐすぐすと、涙声で告げる。

「大好きなんだ。…孟徳、孟徳っ」

暫く夏侯惇の嗚咽だけが聞こえていた。

その間も曹操の掌は、慰めるように頭を撫で続けた。

「…もう、こういうことしてくれって頼まないから…もう、好きって言わないから。
 だから…もう一度、孟徳の将にしてくれ!」

「……言ってくれぬのか?」

前髪をかきあげられて、瞳を真っ直ぐ射抜かれる。

「だって…気持ち悪いだろ…?
 俺はお前を…愛してる、けど。お前は俺のことなんか、好きでもなんでもないのに…」


それを聞いた瞬間。


「…元譲のことなど、好きに決まっているではないか!」

ニヤニヤと、幸せ全開の笑顔で曹操は言い切った。

「え…?」

「かわいい元譲。よくぞ言ってくれたな。望み通り…その全てをわしのものとしてくれよう」

「孟徳?」

「…今まで、虐めて悪かったな。わしも元譲のことを愛しておるぞ」

「ほ、本当に……?」

「ああ。本当だ」

「…じゃあ、好きなままでいても、いいのか…?」

「勿論」

「…たまに、口付けが欲しいって、言っても…?」

「いくらでもくれてやる」

答えを聞いて、嬉しそうに夏侯惇が笑う。

「…それなら、毎日もらう!」

可愛らしい宣言にくすくすと笑った曹操は、そっと耳に唇を触れさせて、今度は真剣な声音で囁いた。

「お前はわしのものだ。…元譲」

夏侯惇はこの上なく幸福な顔で、何度も何度も頷いた。

「俺はお前のものだ、孟徳」















 





私はデレ惇を履き違えているのかも…
真剣にヒデェや…!ヽ(  ´  ∇  `  )ノ ♪


「ちゅーして?」は某Oさんのメールから…(*´∇`*)笑



殿の計画は
・惇が家出してもダイジョーブなように裏に手をまわしまくってました!
(周辺君主の弱み握って「惇襲ったら殺すよ?d(*⌒▽⌒*)b」っていう書簡を送りまくってたv)
・惇からどうしても告白してほしかったのでわざと負けて惇を目上にしてやった!


だって エンパだもの   のきを




書き終わって思ったことは・・・

デレ惇は とても 楽しい!!! (*´∇`*)


 
2011/04/17


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