無双5の新髪型の話





 
   
   







「かーわーいーいー」

「かわいすぎるー」

ジタバタと転げまわっているのは、曹操と張遼。

それを、夏侯惇がキョトンとしてみている。

「そなた、それ犯罪だぞ、最早!」

「犯罪?何が?」

「髪、髪ー!!!」

それ以上言葉にならないとでもいうように、張遼は床を拳でドンドンと叩く。

「髪・・・・・・うん」

夏侯惇は、それこそ何と言っていいかわからない。

曹操と張遼はあまりに悶え過ぎて、酸欠になった。

「何でそんな短さに・・・!
 今期流行のショートカット・・・!」

「・・・そんなつもりで切ったんじゃないけど」

「つるつるさらさらだし・・・!
 もうなんかもう・・ギニャァァァー!!」

「お前らそれなんかの嫌がらせ?それともそんなに変だったか、これ・・・」

夏侯惇が、毛先に指をくるくると絡ませる。

「変だなんてことはないぞ、変だなんてことは!」

「似合ってることが逆に不思議すぎてこうなってるだけだから、ご安心を!
 ですよねー、殿?」

「その通り!」

「・・・・・・不思議って・・・・・・」

「そなたが前髪おろしたのって本当に初めてであろう?
 すごいものを見たな、張遼!生きててよかった!」

「・・・過言にもほどがあるだろう・・・」

ちょっとげんなりした夏侯惇は、二人を置いていこうとする。

「ちょっ、待て、元譲!写真とらせろ写真!」

「えぇー・・・イヤだ」

「私もお願いします!なめるように見るのでドアップで」

「真顔でなんてこと言うんだよ、お前は・・・」

「むしろ待ち受けにするから何枚かとらせろ」

「・・・孟徳、頼むからそれだけはやめてくれ」

「何だ元譲、こんなに褒めておるのに全然嬉しそうじゃないな」

「褒めてるのか本当に・・・。
 なんていうか、俺だけこんなに言われるなんて理不尽だ。
 お前も髪型変えろよ」

「えー、わしが変えたって誰も喜ばんぞ。
 リアクション絶対薄いし」

「だったら爆笑とれるような髪型にしてくればいいだろう。俺と淵が笑ってやるよ」

「元譲・・・なんてハードルの上げ方をするんだ・・・」

「簡単だろ?俺なんか髪切って前髪下ろしただけなのにこんななんだから」

「そなたは特別だ!もし食いついてくるのが張コウだけとかだったらもう凹んで立ち直れない気がする」

「それは死にたくなるかもしれないけど・・・」

「・・・・・だったらこうしよう!
 わしが髪型を変えて、すごいリアクションをとれたら、待ち受けにする写真をとらせろ!
 いいな?」

「うーん・・・まぁ・・・それだったら・・・」

「いいのかよ!」

「だってお前の変な髪形見たいし。
 お前なんかその髪以外一つもしたことないだろー?」

「・・・あ、そうか。意外と簡単かもしれんな。
 よし、では約束だぞ!」

「うん」

「ところで張遼、お主は?」

「私はいいです。だって私の髪型お二方とも知らないじゃないですか」

「知らないけど。
 あ、むしろ、その帽子とるだけでもいいんじゃないか?」

「イヤですよ。それで誰も反応してくれなかったらあまりに悲しすぎますから。
 舌噛み切りますよ」

「・・・まぁ、な。数年越しの秘密だからな・・・」

「でしょう?」

「だったら何でもいいから、お前もなんか変えて来いよ。
 ずっとそんな感じっていうのもそろそろ・・・」

「あ、飽きた?!」

「・・・うん、まぁ・・・正直なところ」

「殿、すみません。私はここまでです・・・」

「や、やめろ張遼!舌を噛むな、舌を!」

「うぅ・・・」

「文遠!ごめん!そんなつもりで言ったんじゃ・・・」

「わ、わかりましたよ・・・私もやればいいんですよね、やれば・・・」

「何だかイメチェンの決意にしては悲愴すぎるが、そうだな」

「やってやりますよ・・・。
 ・・・見ていてくれ、元譲殿!」

「う、うん・・・
 とりあえず口から血出てるから、拭って」

「あ、すみません」

「・・・本当ごめん」

「では張遼、わしと勝負だな」

「ええ・・・。今の精神的ダメージのせいでどうなるか全くわかりませんが一応」

「よし!ではまた後日披露目だ!解散!」

「・・・解散?」




「夏侯惇殿ー!」

ドーン、と扉を開いて、何者かが現れた。

「ん、誰だ・・・?」

皆がいっせいに振り向くと・・・硬直した。

「見てくだされ、イメチェンした拙者を・・・・・・って!!!
 何ですかその髪!かわいすぎるー!!!!!」

「何だその髪!お前誰だよー!?」

「拙者は関雲長に決まってるではないですか!
 いやいやそんなことより、貴殿の髪が・・・!」

「か、関羽・・・言いにくいんだけど・・・
 お前絶対前の方がよかった・・・と思うぞ・・・」

「まぁまぁ。皆にそう言われましたが、翼徳とおそろいなので、変えるわけにもいかず・・・。
 見慣れてくだされば大丈夫!」

「そ、そうか・・・」






「だ、駄目だ・・・・・・」

「殿!戦う前からそんなことでは・・・」

「だってお主も見たであろう?!何あれ、反則だ!」

「・・・・・・確かに」

「勝てる気がせぬわ・・・」








けれども、後日もみあげをのばしまくって登場した殿は、きちんと魏全将軍の爆笑を買うことができました。
そして約束どおり、夏侯惇の待ち受け写真もゲットできました。


大切なものをなくしたような気もする、36歳秋のことでした。











 



拍手お礼文だった気がします。
無双5発売前か直後か。

2010年1月28日追加

 




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