猛獣の飼い方10の基本  ・・・で、呂布惇。
 お題は、でお借りしました。

1 あるていどのきけんをかくごしましょう
2 じぶんをしゅじんだとにんしきさせましょう
3 せをむけてはいけません
4 むりにいうことをきかせようとしてはいけません
5 あまやかしすぎはいけません
6 なつくとたのもしいそんざいです
7 いがいときずつきやすいいきものです
8 きちんとききかんりをしましょう
9 スキンシップがすこしはげしいです
10 ときどきあまえんぼうになります

以前実施したアンケートで、票が入っていたので挑戦しました〜。エンパです。惇君主。
一個一個、毎日パソコンに向かってからその場その場で書いたので、話がつながらない箇所が結構ありますが、軽く流してください。
下からどうぞ〜。

 

〇一つ目

「これ・・・どうする」
夏侯惇が指差しているのは、先の戦いで勝利した際に捕縛した、呂布。
ここからは声が届かないくらいに、呂布との距離は離れている。
「そうだな・・・」
太史慈が腕を組んで悩む。
今、この勢力にいるのは、顔なし武将を除くとこの二人だけだ。
「放すのも、面倒だよな。もう一度呂布とやり合うのは辛い・・・」
「かといって、自軍に引き入れても・・・暴走しそうだ」
「やはり放逐するか?」
「しかし・・・我々はかなりの弱小勢力。呂布の力は惜しい」
「・・・悩みどころだな」
「この際、危険覚悟で登用してみては?またとない機会であるのは、間違いない」
「うぅ・・・それはそうだが」
「貴殿の国だ。そこまで嫌なら・・・」
太史慈が困ったように笑った。同僚に呂布が増えるのは、太史慈にとっても嬉しくないのは変わらない。
「・・・・・・もういい。腹をくくって登用するぞ」
夏侯惇は、恐々と呂布の方に歩き出した。

ーーーーー
「1 あるていどのきけんをかくごしましょう」です。
前回のエンパプレイ時の初期面子が、惇兄と太史慈と、顔なし武将だったんです。
Date: 2005/04/17(日)


〇二つ目
「お前を我が軍で登用することになった」
夏侯惇が手を差し伸べると、呂布は座ったまま睨みつけてくる。
「貴様の下につけと?」
「まぁ、形としてはそうだが・・・」
「気が進まんな」
「しかしなぁ・・・どこに行くにせよ、誰かの下につかねば戦には出られぬぞ」
「だったら雇われてやるが、貴様の命令は聞かんぞ」
「・・・そう言われてもなー・・・」
「夏侯惇殿、一寸・・・」
太史慈が呼んだ。
「何だ?」
「そんなに下出に出ると、呂布が調子に乗るぞ」
「・・・・・・ムリだろ、上から物を言うのは」
「しかし、あくまでも貴殿が君主であることは、わからせなければ。折角登用しても、使い物にならなければ意味がない」
「・・・・・・費用もバカにならんしな」
「俺も一緒に説得してみよう」
「・・・ありがたい。流石に、一人では心細かったところだ」
今度は二人で呂布のところに向かった。
「・・・一応、俺がここの君主だから、それだけは忘れるなよ?」
「最低、危害は加えるなよ。わかったか?」
「チッ・・・仕方がない。で、貴様の名は何だ、それくらいは覚えておいてやろう」
ーーーうっわー・・・調子乗ってる。
二人とも思ったが、間違っても口にはできない。
「夏侯惇・・・字は元譲だ」
「で、そっちの赤いのは?」
「・・・・・・太史慈。字は子義」
「目障りだ、戦があるまで近寄ってくるな」
夏侯惇の額に青筋を発見し、太史慈は、慌てて夏侯惇を離れた場所に連れて行った。

ーーーーー
「2 じぶんをしゅじんだとにんしきさせましょう」です。
子義も惇兄もズレてるけど、それぞれズレ方が違うっていう・・・(ん?)

Date: 2005/04/18(月)


〇三つ目
「・・・・・・一応、この勢力に属してるわけだから、献策にも参加してもらいたいんだが・・・」
雇って以来、何をするわけでもない、手持ち無沙汰な呂布。
「俺には最強の武がある」
「・・・・・・で?」
「戦以外では何にもせん」
「・・・・・・」
夏侯惇とて、別に献策がして欲しいわけではない。呂布の頭脳に、今更何を期待するものか。
ただし、するのは戦だけで、この軍の将として属しているのは名ばかり、というのも寂しい気がしていた。
寂しいばかりではなく、こんな調子ではいつ裏切られるかもわからない。
だから、せめて一寸は内政に関与してもらって、軍の中の一武将であることを認識してもらいたかったのだ。
「まだ文句があるのか」
じーっと見つめてくる夏侯惇に、呂布は不機嫌になった。
「・・・・・・」
意外と、視線を向けられるのに弱いことに気が付き、言葉は発さずに、ひたすら、じーっと見続けた。
「・・・・・・帰れ」
「・・・・・・」
「鬱陶しい。帰れ!」
「・・・・・・」
「鬱陶しいと言っているだろうが!!」
全然態度を軟化させる様子が見られないので、諦めて、夏侯惇はそこを離れた。

ボーっと、どうしようかを考えながら歩いていると、
「夏侯惇殿!!」
突然呼ばれて、ハッと我に返った。
「後ろ!!」
夏侯惇を呼んだ太史慈は、血相を変えている。
「何?」
何気なく夏侯惇が振り向くと、背後に呂布が立っていた。得物を携えて。
思わず身を引いたとき、それが振り下ろされた。
「・・・・・・君主だろうがなんだろうが、今度来たら叩き斬るからな」
そういい捨てると、呂布は荒い足音を立てて戻っていった。
「・・・寿命が縮んだ」
「・・・・・・お前が教えてくれなければ、俺の寿命は今尽きていたところだ・・・礼を言う」
「噂には聞いていたが、呂布は本当に言うことを聞かんな」
「ああ。やはり登用は失敗だったか」
「言うだけのことはあるというほど、戦で活躍すれば成功になるんだろうが・・・」
「・・・一回でも退却したら、減給処分に処してやろうか」
「それこそ下克上の憂き目に遭う原因になる」
ため息は日に日に増え、重みもだんだん増していく。

ーーーーー
「3 せをむけてはいけません」です。
呂布といえば暴君。君主じゃないのに暴君。

Date: 2005/04/23(土)


〇四つ目
「いいか、お前が強いことは重々承知の上で言わせてもらう」
夏侯惇が、強い調子で言う。
「今回は防衛戦だ」
「そんなことは知っている」
「勝利条件は?」
「敵の頭を叩き潰せば良いんだろう」
「まだ一つある」
「そんなものは知らん」
「・・・・・・暫く耐えれば、相手が退却する。それでも勝ちになる」
「生ぬるいな」
「だがな、今回はこのやり方を採る」
「何故だ」
「まだ準将軍がほとんどいないからな。守りに力を入れねば、こちらの本陣が落とされてしまう」
「俺には関係ない!戦なぞ、始めて直ぐに終わらせてやる」
「・・・関係あるぞ」
「ない。俺の武は、そんなことに左右されるものではない」
「いくら言ったところで、もし負けたら、お前が捕縛されるかもしれない。その上放逐される可能性も・・・」
「・・・何だと」
「実際、お前がそうやって本陣に突っ込んでくれたから、我が軍が勝利したんだろうが・・・」
「何っ」
「・・・気付いてなかった・・・のか?」
夏侯惇はため息を吐いた。
「あのな・・・」
夏侯惇は勇気を出して、呂布の目を見た。斬りかかられないことを祈りつつ。
「我が軍には、武将が三人しかいない。お前に抜けられるとかなりの痛手なんだ。・・・分ってくれないか?」
ギュっと手を握ってみた。
「・・・・・・考えてやる」
呂布の心に、今までにない動揺が生じていた。

ーーーーー
「4 むりにいうことをきかせようとしてはいけません」です。
言うこときかせようとして、ホレられました。アハ。ベタで〜す。

Date: 2005/04/23(土)


〇五つ目
呂布が言うことを聞いたので、戦は大勝利に終わった。まだ初期の頃なので、一戦の勝利がモノを言う。
君主も部下も、とても、おめでたい気分になるのだった。
「呂布が、よく言うことを聞いたものだな」
太史慈が満足気に言う。大きな心配の種になっていたのだ。
「ああ、本当にな。頼んでみたら、意外と素直に聞いてくれたから・・・」
「それは、本当に意外だな・・・」
「悪いやつじゃないってことだろう?」
「そうか・・・?」
「渋々ながらも救援にも来てくれたしな。おかげで、退却が最低限で抑えられた」
「本当か?」
頷く夏侯惇を見て、太史慈は不思議に思った。いくらなんでも、呂布は短期間で変わりすぎだ。大きな心境の変化があったんだろう、としか言えないが、とにかく何かが起きたらしい。

夏侯惇は、質素ながらも設けた宴席で、呂布を労っていた。
「どうなるかと思っていたが、お前の活躍のお陰でこの快勝。礼を言うぞ」
「・・・・・・大したことはしていない」
呂布は、全く夏侯惇とは視線を合わせようとしない。
「お前の武に忍耐力がつけば、真に最強ということだな。そうだろ?」
呂布の視線はあくまでも夏侯惇から外されている。
「・・・どうかしたのか?」
「どうもせん」
「本当か?何か・・・気分が悪そうだが」
貴様には関係ないだろう、と言おうとしたとき、腕を掴まれて驚いた。
「もしかして、コレか?」
夏侯惇の目は、呂布の腕に巻かれた布に向けられていた。適当にまかれているだけで、手当てというには酷い。
「怪我したんだったら、誰かに言えよ」
「こんなもので調子が狂うような俺とでも思っているのか?」
「いや・・・深さがわからないから何とも言えないが・・・」
「だったらほっとけば良いだろう」
「君主が、功臣相手にそれはないだろう?」
そう言う夏侯惇は、もう布を解きにかかっている。
「おい!勝手な真似をするな!」
「手当てをしたところで、お前に不都合はないはずだろ。・・・そこまで深くもないのか。布巻くだけしかしてないのか?」
「・・・・・・一通りのことはした」
「だったら、もうこれで良いか。・・・・・・だが、この布はいただけんな」
ボロボロの布で、巻くと、逆に傷に障りそうだった。
「一寸待ってろよ」
「おいっ!・・・」
止める間も無く、夏侯惇は包帯をとりに行ってしまった。
 
残された呂布は、掴まれた腕の辺りに視線を落としながら、落ちつかなく座っている。

ーーーーー
「5 あまやかしすぎはいけません」です。
甘やかしすぎて惇兄にそわそわするようになってしまった呂布。
惇兄はどこまでもニブいお人で。

Date: 2005/04/25(月)


 

 続きですよ。

 


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